2026.10.19
2027年グリッドコード改定でJC-STAR★1が必須化!太陽光発電設備・蓄電池の機器選定と注意点
近年、太陽光発電や蓄電池の導入が広がるなかで、設備や機器のサイバーセキュリティ対策の重要性が高まっています。
発電設備の遠隔監視や出力制御が普及したことで、サイバー攻撃による不正操作や大規模停電(ブラックアウト)のリスクが懸念されるようになったためです。
こうしたリスクに備え、国は電力設備のセキュリティ要件の強化を進めており、その一つとして注目されるのが、IoT製品のセキュリティ対策を評価する制度「JC-STAR」です。系統連系技術要件(グリッドコード)の改定により、2027年4月以降の契約申込み分から、対象設備において「JC-STAR★1」への適合が必須となります。
新たに太陽光発電設備や蓄電池を導入する企業・自治体にとって、JC-STARは機器選定や導入スケジュールに関わる重要な制度です。
未対応の機器を選ぶと系統接続が認められなくなるおそれがあり、今後の設備導入やリパワリング計画にも直結します。
本記事では、JC-STARの概要や適用時期、実務で押さえるべき機器選定のポイントを分かりやすく解説します。
(最終更新日:2026年10月19日)
この記事のポイント
- JC-STARは、IoT製品のセキュリティ要件への適合状況を評価し、ラベルを付与する制度
- 2026年度内にグリッドコードが改正され、2027年4月以降の契約申込み分よりJC-STAR★1への適合が順次必須化
- 直接インターネットに繋がない運用でも、「IP通信機能」を備えた機器は広く対象となるため注意が必要
- 機器選定では、ラベルの適合状況(型式単位)や最長2年の有効期間、導入後の保守・サポート体制の確認が不可欠
JC-STARとは?太陽光発電・蓄電池のセキュリティ対策
JC-STARとは、経済産業省所管の独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が運営する、IoT製品のセキュリティ対策を評価・可視化する制度です。
製品が所定のセキュリティ要件を満たしているかを評価し、その適合状況をラベルで示します。
太陽光発電設備や蓄電池に使用されるPCS(パワーコンディショナ)などについても、対象機器や適用要件を確認したうえで、設備導入時の機器選定を進めることが重要です。

IPAが運用するIoT製品のセキュリティ適合評価制度
JC-STARは「Japan Cyber-Security Technical Assessment Requirements」の略称で、日本語では「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」といいます。経済産業省が示した制度構築方針に基づき、IPA(情報処理推進機構)が運用しており、2025年3月25日に運用が開始されました。
JC-STARは、IoT製品が所定のセキュリティ要件を満たしているかを評価し、その適合状況を★1から★4までの4段階で評価する制度です。
★3・★4が電力会社の基幹制御システムなど重要インフラ向けの基準であるのに対し、★1は不正アクセスやサイバー攻撃の踏み台化を防ぐために不可欠な基準と位置付けられています。製品ベンダーが自己評価に基づいて申請し、IPAによる審査を経てラベルが付与されます。太陽光発電設備や蓄電池の導入時には、PCS(パワーコンディショナ)などの関連機器が制度の対象となるか、また、求められる適合レベルがあるかを確認することが重要です。
出典:IPA「セキュリティラベリング制度(JC-STAR)についての詳細情報」
出典:IPA「JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)」
出典:資源エネルギー庁「IoT製品に対するセキュリティラベリング制度(JC-STAR)の運用を開始しました(2025年3月25日)」
なぜ太陽光発電設備・蓄電池にセキュリティが求められるのか
太陽光発電設備や蓄電池が、なぜサイバー攻撃の対象になるのでしょうか。
太陽光発電設備や蓄電池では、遠隔監視や出力制御を行うため、通信機器やシステムがネットワークに接続されています。
こうした機器やシステムに脆弱性があると、ネットワークを通じて不正アクセスを受け、機器の不正操作を通じて最終的に大規模停電を引き起こすおそれがあります。
実際に、太陽光発電の監視装置に存在する脆弱性が悪用され、サイバー攻撃の踏み台にされた事例が資源エネルギー庁の資料で示されています。こうした事例からも、電力網全体の安定運用を見据えたセキュリティ対策を講じることの重要性が分かります。

出典:資源エネルギー庁「小規模太陽光発電設備のサイバーセキュリティ対策について(2025年2月4日)」
参考資料:資源エネルギー庁「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)に関するサイバーセキュリティガイドライン Ver3.0」をもとに作成
【重要】「グリッドコード」改定に伴い2027年4月からJC-STAR★1が必須化へ
グリッドコードとは?系統連系の技術要件が見直される背景
グリッドコード(系統連系技術要件)とは、発電設備や蓄電池を電力系統(電力網)に接続する際に求められる技術ルールです。
太陽光発電などの分散型電源が急増するなか、サイバー攻撃による大規模停電を防ぐため、このルールに新たにセキュリティ要件が追加されることになりました。その評価基準として採用されたのが、IoT製品のセキュリティ適合評価制度「JC-STAR」です。
出典:資源エネルギー庁「電力分野のサイバーセキュリティについて」
出典:電力広域的運営推進機関(OCCTO)「第20回 グリッドコード検討会(2025年12月16日)」/「第21回グリッドコード検討会 資料4(2026年3月31日)」
2027年4月からどう変わる?JC-STAR★1の適用時期
経済産業省・資源エネルギー庁の公表方針に基づき、「グリッドコード(系統連系技術要件)」は2026年度内に改正されます。
これにより、新規申込分の高圧・特別高圧連系設備は2027年4月以降の契約申込みから、50kW未満の低圧連系設備は半年間の経過措置を経て同年10月から、PCS等にJC-STAR★1を取得した製品の使用が必須となります。
| 設備・連系区分 | 適用時期の見通し |
|---|---|
| 高圧・特別高圧 | 2027年4月〜(契約申込み分よりPCS等にJC-STAR★1取得製品の使用が必須) |
| 低圧(50kW未満) | 2027年10月〜(半年間の経過措置後に適用) |
出典:資源エネルギー庁「電力分野のサイバーセキュリティについて(JC-STARのグリッドコード化)」
出典:資源エネルギー庁「分散型電源のサイバーセキュリティ対策について(2026年2月12日)」
未対応機器は「系統接続が不可能」になるリスク
2027年4月の改定以降、この新たなセキュリティ要件(JC-STAR★1)を満たさない通信機器は、原則として電力系統への接続が認められなくなります。そのため、新規導入や既存設備の更新(リパワリング)を検討する際は、機器選定の段階からセキュリティ要件への対応を確認することが重要です。
JC-STAR★1の適合状況は、シリーズ名などの大まかな「製品名」ではなく、IPAの公開リストに登録された「型式単位」で照合・確認する必要があります。選定ミスを防ぐためにも、制度の詳細を熟知したEPC事業者(設計・調達・施工)と連携して進めることが重要です。
出典:資源エネルギー庁「グリッドコードについて(2026年2月9日)」
出典:情報処理推進機構(IPA)「JC-STAR 適合ラベル取得製品リスト」
出典:環境イノベーション情報機構(EIC)「ストレージパリティ達成促進事業 Q&A集(問5-21)」
JC-STAR★1の対象機器は?PCSや制御システムの確認ポイント
設備に含まれるすべての機器が一律に対象となるわけではなく、「IP(インターネットプロトコル)を使用したデータ送受信機能」の有無によって判断されます。インターネットに直接接続せず別機器を経由する場合や、現時点で通信を行わない運用であっても、機器にIP通信機能が備わっていれば(使用できる状態にあれば)対象となります。
なお、対象となるすべての機器において、求められる要件は一律「JC-STAR★1」です。
| 機器 | 主な役割 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| パワーコンディショナ(PCS) | 直流電力を交流に変換し、出力を制御する | 単体にIP通信機能がある場合、PCS自体の★1取得状況(型式単位)を確認 |
| エネルギーマネジメントシステム(EMS) | 発電・蓄電・消費電力を管理・遠隔制御する | 外部とIP通信を行う制御部(コントローラー等)において★1取得状況を確認 |
| バッテリーマネジメントシステム(BMS) | 蓄電池の状態監視や充放電を制御する | BMSまたは統合コントローラーがIP通信機能を有している場合、★1取得状況を確認 |
| ゲートウェイ・遠隔監視装置 | 機器間の通信媒介や外部データ送信を担う | ゲートウェイ単体の★1取得だけでなく、接続されるPCS等も含めたシステム全体での適合を確認 |
出典:資源エネルギー庁「グリッドコードについて」
出典:情報処理推進機構(IPA)「JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)」
機器選定で見落としがちな注意点|ラベル有効期限(2年)と運用の継続性
対象機器を選定する際、単に「現時点でJC-STAR★1を取得しているか」だけでなく、長期運用を見据えた2つの注意点を確認しておく必要があります。
① JC-STAR適合ラベルの有効期間は「2年間」
JC-STARの適合ラベルは永久ライセンスではなく、原則として発行日から2年間です。
延長手続きが認められると有効期間は延長されます。期間満了前にメーカーが更新手続きを行う必要があるため、今後も継続してラベル更新や製品サポートを行う体制があるメーカーかを確認することが重要です。
② 設置後も続く「脆弱性への対応」と「ソフトウェア更新」
サイバー攻撃の手口は日々進化するため、導入後も新たな脆弱性が見つかる可能性があります。
メーカーから脆弱性情報が適切に提供され、ファームウェア等のアップデート体制が整っている信頼性の高いシステム構成を選定することが、長期的な安定稼働に直結します。
出典:情報処理推進機構(IPA)「適合ラベルの確認方法」/「JC-STAR制度に対するよくある質問について」
補助金への影響は?申請前に確認したいポイント
産業用太陽光発電設備・蓄電池の導入を支援する最新の各補助金(令和8年度ストレージパリティ補助金や、VPP・DR関連の業務産業用補助金など)では、公募要領において「JC-STARへの適合」が対象機器の要件として定められるケースが本格化しています。
機器選定を誤ると補助金の対象外となるだけでなく、申請に必要な証明書類が用意できずに導入計画そのものが頓挫してしまうおそれがあるため、申請前の確実な要件クリアが不可欠です。また、補助金の活用には機器選定だけでなく、申請期限や複雑な手続きに合わせたスケジュール管理も求められます。
確実な機器選定から補助金の申請サポート・設備導入まで、お悩みの際はユニバーサルエコロジーへお気軽にご相談ください。
出典:環境イノベーション情報機構(EIC)「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業 Q&A集(令和8年度当初予算)」
出典:環境省「令和8年度ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業 公募要領」
出典:環境共創イニシアチブ(SII)「令和7年度補正「再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金」業務産業用蓄電システム導入支援事業 公募要領」
既設の太陽光発電設備・蓄電池はどう対応する?
すでに稼働している太陽光発電設備や蓄電池については、2027年4月を迎えても既存機器をすぐに買い替える必要はありません。
新たなセキュリティ要件は、原則として「改定以降に新規連系・契約する設備」が対象となるためです。ただし、既設設備であっても、以下の2つのケースではJC-STAR★1への適合が求められます。
- 設備の増設時:既存の太陽光設備に新しく蓄電池や追加PCSを導入する場合(追加する機器が対象)
- 機器の更新・交換時(リパワリング):既存のPCSが故障・寿命を迎え、新しい機器へ交換する場合(交換後の機器が対象)
【実務の注意点】故障交換時の特例と手続き
運用開始後の故障等で★1取得製品への交換が過度な負担となる場合は、一般送配電事業者に計画書(将来のリプレース予定年や暫定対策を記載)を提出・了承を得ることを条件に、★1未取得の同型式製品への交換と暫定的な使用(将来的な適合品への交換までの猶予)が認められる特例が設けられています。
ただし、同一型式への交換であっても「軽微な変更」とはならず、一般送配電事業者への接続検討申込み等の手続きが必要となる点には注意が必要です。
出典:資源エネルギー庁「グリッドコードについて」/「分散型電源のサイバーセキュリティ対策について」
2027年以降の機器選定・スケジュールはどう変わる?
高圧・特別高圧の太陽光発電設備や蓄電池の導入では、電力会社との事前協議・接続検討から工事・連系(運用開始)まで、半年〜1年以上かかる場合があります。
2027年の制度改定を見据え、機器の調達や電力会社との手続きに必要な期間を考慮し、余裕を持って計画を進めることが重要です。特に、2027年4月(低圧は同年10月)以降に系統接続や契約申込みを行う計画では、機器の発注段階ではなく、初期の接続検討や基本設計の段階から、新たなセキュリティ要件を踏まえて機器選定を進める必要があります。
これからの設備導入やリパワリングでは、従来の機器選定で重視してきた性能やコストに加え、セキュリティ要件への適合状況や機器の調達時期も考慮する必要があります。従来の選定との違いを、以下の表にまとめました。
| 比較項目 | 従来の選定 | 2027年改定を見据えた選定 |
|---|---|---|
| 選定時の確認事項 | 初期コスト、発電効率、設置実績などを中心に評価 | 従来の評価項目に加え、JC-STAR★1の適合状況(セキュリティ要件)を必須項目として確認 |
| 製品の確認方法 | メーカーのカタログや製品仕様書で判断 | シリーズ名だけでなく、IPAの公開リスト等で「対象型式単位」の適合状況とラベル有効期限(2年)を照合 |
| 補助金申請への対応 | 各補助金で規定された発電性能や設備仕様を確認 | 設備仕様に加え、公募要領で求められるセキュリティ適合要件を満たしているか確認 |
| 調達・スケジュール | 標準的な機器調達期間と連系手続きを考慮して進行 | 接続検討・契約手続きの期間に加え、適合機器の選定期間や供給時期を逆算したスケジュールを設計 |
セキュリティ要件をクリアする「オールジャパンパッケージ」
ユニバーサルエコロジーでは、こうした国のセキュリティ要件厳格化や2027年のグリッドコード改定に先んじて、お客様が安心できる信頼性の高いソリューションを提供しています。それが「オールジャパンパッケージ」です。
以下の表は、従来の選定基準と、JC-STAR要件化を見据えた当社の「オールジャパンパッケージ」等の選定基準を比較したものです。
※国産製品であることだけでJC-STARへの適合が保証されるわけではありません。採用を検討する際は、製品ごとの適合状況や必要なセキュリティ要件を個別に確認してください。
| 比較項目 | 従来の機器選定 | 2027年以降を見据えた選定(オールジャパンパッケージ等) |
|---|---|---|
| 系統連系・補助金申請 | 今後の制度変更により、連系不可や申請不可となる懸念あり | 厳格なセキュリティ要件に適合する製品を導入し、確実な事業化を実現 |
| セキュリティリスク | 海外製などセキュリティ基準が不明確な場合サイバー攻撃の標的となるリスクあり | 国の要件(★1以上)を満たす日本メーカー製の機器を中心とし、リスクを低減 |
| サポート体制 | メーカーごとの対応窓口が異なり、トラブル時の迅速な原因究明が困難 | 日本メーカー機器と自社一貫のワンストップ体制による迅速なトラブル対応が可能 |
日本を代表するメーカー機器で構成された信頼性
当社のオールジャパンパッケージは、PCS(パワーコンディショナ)や太陽光パネルなど、主要な構成機器を国内トップメーカーの製品で統一しています。将来的なセキュリティ基準(JC-STAR等)をクリアしやすい日本メーカーの機器を採用することで、サイバーセキュリティ対策を強化。企業の事業継続や自治体の防災力強化を支え、安心・安全なエネルギー利用に貢献します。
5,000件以上の実績とワンストップ体制による安心感
ユニバーサルエコロジーは、これまでに5,000件以上の施工実績を誇る再エネ開発のプロフェッショナル集団です。
発電設備の設計・調達・施工からO&M(運用・保守)、さらにはキュービクルなどの電気保安管理まで自社一貫で行う「ワンストップ体制」を構築しています。万が一のトラブル時も、迅速かつ的確な対応をお約束いたします。
まとめ|2027年に向けた計画的な準備を
2027年のグリッドコード改定に伴うJC-STAR★1への対応は、太陽光発電設備や蓄電池の機器選定・導入計画に影響する重要な制度変更です。
系統連系や補助金の活用を見据え、セキュリティ要件を踏まえた機器選定と信頼性の高いシステム構築がこれまで以上に重要になります。企業や自治体で太陽光発電設備・蓄電池の導入や更新を予定している場合は、まず次の点を確認しましょう。
- 導入・更新予定の設備容量や連系区分、IP通信機能の有無を整理する
- 自社設備の接続スケジュールと、制度の適用時期(2027年4月〜等)を照合する
- 採用予定の機器がJC-STAR★1に適合しているか(型式単位・最長2年の有効期間)を確認する
- 補助金を利用する場合は、公募要領で求められるセキュリティ要件を確認する
- 導入後の保守・ソフトウェア更新体制や長期運用コストを踏まえて計画を立てる
制度改定に伴う手続きの遅れや選定ミスを防ぐためにも、機器選定から系統連系の手続き、補助金の活用まで、専門知識を持つEPC事業者(設計・調達・施工)へ早期に相談しながら準備を進めることをおすすめします。
ユニバーサルエコロジーでは、最新の制度動向を踏まえ、貴社に最適な設備導入をサポートいたします。
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