2026.04.20
【一次公募開始】令和8年度 環境省「地域レジリエンス事業」│ 防災拠点への太陽光・蓄電池導入を支援
環境省所管の「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」(以下、地域レジリエンス事業)の令和8年度一次公募が令和8年4月13日に開始しました。申請締切は令和8年5月15日12時です。太陽光発電・蓄電池に対する市区町村の補助率は原則1/2となり、太陽光発電・蓄電池の導入コストを大幅に圧縮できる制度です。公共施設の防災力強化と脱炭素化を同時に進めるうえで、優先度の高い補助金の一つといえます。
この記事のポイント
- 令和8年度一次公募は令和8年4月13日開始、申請締切は令和8年5月15日(金)12:00
- 補助率は市区町村の太陽光・蓄電池で1/2
- 対象は地域防災計画・BCPに位置付けられた公共施設・公用施設
- PPA・リース・エネルギーサービス事業で自治体と共同申請する民間事業者も対象
- 事業完了期限は原則令和9年1月29日(複数年度事業は2か年限度)
地域レジリエンス事業とは ── 制度の概要と背景
正式名称と事業目的
地域レジリエンス事業の正式名称は「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)」です。環境省が所管し、一般財団法人環境イノベーション情報機構が執行団体として運営しています。
この事業のねらいは、公共避難施設・防災拠点に太陽光発電や蓄電池などの自立・分散型エネルギー設備を導入し、「平時の脱炭素化」と「災害・停電時のエネルギー自立」を同時に実現することにあります。単なる省エネ施策ではなく、インフラとしての防災機能向上と脱炭素目標の両立を国家的に支援する制度です。
出典:環境省「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業等(地域レジ事業)」
なぜ今、公共施設の電源自立化が求められているのか
2024年(令和6年)の能登半島地震では、避難所として機能すべき公共施設が長期間の停電に見舞われ、道路の寸断とも重なることで、復旧に数週間から数カ月を要した地域も発生しました。外部の電力系統に依存する施設は、系統停電が発生した瞬間に機能を失うという構造的な脆弱性を抱えています。
こうした教訓を踏まえ、政府は第1次国土強靱化実施中期計画(令和7年6月閣議決定)および地球温暖化対策計画(令和7年2月閣議決定)に基づき、公共施設への自立分散型エネルギー設備の導入を国家基盤の整備として推進しています。太陽光発電と蓄電池を組み合わせたシステムは系統から切り離された状態でも電力を供給できるため、停電時の防災拠点機能を担保するうえで不可欠な設備として位置付けられています。
▼災害時のBCP対策についてのコラムはこちら
令和8年度一次公募の概要 ── 補助率・対象施設・スケジュール
補助率と対象設備
補助率は申請者の区分によって異なります。市区町村への補助率は最大2/3と、都道府県・指定都市に比べて手厚い設計になっています。
| 申請者区分 | 補助率 |
|---|---|
| 都道府県・指定都市の場合 | 1/3 |
| 市区町村等でかつ蓄電池含む太陽光発電設備、CGS導入事業の場合 | 1/2 |
| 市区町村等(指定都市以外、または特別区)でかつ太陽光発電設備以外の再生可能エネルギー設備または、地中熱・バイオマス熱等の熱利用設備導入事業の場合、または離島の場合 | 2/3 |
※補助率は補助対象経費に対する割合です。実際の交付額は変動する場合があります。詳細は公募要領にてご確認ください。
補助対象となる設備の主な種類は以下のとおりです。
【補助対象設備の例】
- 再生可能エネルギー発電設備(太陽光発電等)
- 蓄電池・充放電設備
- コージェネレーションシステム(CGS:ガス等の燃料から電気と熱を同時に生み出すシステム)
- 熱利用設備(地中熱ヒートポンプ、バイオマス熱利用等)
- 省CO2設備(高機能換気設備、省エネ型浄化槽等)
- 附帯設備(自営線、熱導管等)
出典:一般財団法人環境イノベーション情報機構「公募要領 地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共避難施設・防災拠点への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業令和8年度予算 及び 令和7年度補正予算 脱炭素化事業一覧」
対象となる公共施設の要件
補助対象となるのは、以下のいずれかに該当する公共施設・公用施設です。
【対象施設の要件】
- ① 地域防災計画により避難施設または防災施設(避難所・避難場所・広域防災拠点・代替庁舎等)として位置付けられた施設または、地域防災計画又は各都道府県や市区町村等が定める広域防災拠点に関する計画等において、広域防災拠点として位置づけている施設
- ② 業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan。災害等の発生時に重要業務を継続するための計画)により災害等発生時に業務を維持すべき施設として位置付けられた施設(予定含む)
学校・市民センター・庁舎・消防署・医療施設など、防災計画上の位置付けがある施設が主な対象です。申請前に、対象施設が地域防災計画またはBCPに明確に位置付けられているかを確認しておくことが重要です。
公募スケジュールと申請時の注意点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一次公募受付開始 | 令和8年4月13日(月) |
| 申請締切 | 令和8年5月15日(金)12:00 |
| 事業完了期限 | 原則として令和9年1月29日(金) |
| 複数年度事業 | 2か年が限度 |
| 執行団体 | 一般財団法人環境イノベーション情報機構 |
事業完了期限は原則として令和9年1月29日に設定されているため、採択後の設計・調達・施工・系統連系手続きを逆算した工程管理が不可欠です。特に太陽光発電設備の系統連系申請は、電力会社との調整に一定の期間を要します。採択が確定した後にすぐ着工できる体制を、事前に整えておくことが重要です。
出典:一般財団法人環境イノベーション情報機構「令和8年度(当初予算)地域レジリエンス事業 一次公募」
PPA・リースモデルでの活用 ── 民間事業者との共同申請で初期費用を抑える
地域レジリエンス事業の申請対象者は原則として地方公共団体ですが、PPA(電力購入契約)をはじめとする第三者所有モデル(リース・エネルギーサービス事業等)において地方公共団体と共同申請する民間事業者・団体も対象となります。
PPAモデルとは、民間事業者が初期費用を負担して施設に発電設備を設置し、施設側がその電気を購入する仕組みです。自治体にとっては初期投資ゼロで太陽光発電や蓄電池を導入でき、民間事業者にとっては補助金と組み合わせることで初期投資の回収見通しが改善されます。
自治体側のメリット
初期費用ゼロで設備を導入できます。補助金分はPPA事業者側の初期投資圧縮に反映され、電力料金の低減につながることが期待できます。
活用にあたっての留意点
共同申請の要件や契約形態の条件は公募要領で定められています。PPAモデルでの申請を検討する場合は、事前に公募要領の詳細要件を確認し、経験のある事業者との連携が重要です。
申請前に確認すべき3つのチェックポイント
①地域防災計画・業務継続計画(BCP)等への位置付けの確認
補助対象施設の要件として、「地域防災計画」や「業務継続計画(BCP)」への明確な位置付けが必要です。
また、自治体が策定する「国土強靱化地域計画」に該当施設が含まれているかも重要なポイントとなります。
防災計画上の位置付けが曖昧な場合、申請前に防災担当部署や施設管理部署との調整が必要になります。
対象施設が行政の各種防災計画にどのように位置付けられているか、早期に確認しておくことを推奨します。
②災害・停電時に電力供給できる設計(自立運転機能)の確保
地域レジリエンス事業の目的は「平時の脱炭素化」と「停電時のエネルギー供給機能」の両立にあります
導入する太陽光発電・蓄電池システムが、系統停電時にも単独で発電・給電できる「自立運転機能」を備えた設計になっていることが重要です。
機器の選定段階から、停電時の自立運転能力を確実に見据えた設計を行う必要があります。
※具体的な技術要件は公募要領・交付規程にてご確認ください。
③完了期限から逆算した工程管理
一次公募での採択を前提とすると、設計・機器調達・施工・系統連系手続きのすべてを令和9年1月29日までに完了する必要があります。太陽光発電設備の系統連系申請は電力会社との調整に時間を要するため、採択後すぐに着工できる体制を事前に整備しておくことが不可欠です。工程計画の段階から経験豊富な施工事業者と連携することが、期限内完了への確実な近道となります。
地域レジリエンス事業の活用をご検討の自治体担当者・民間事業者様へ。
補助金申請サポートから施工・運用まで、お気軽にご相談ください。
ユニバーサルエコロジーの公共施設向け支援体制
地域レジリエンス事業を活用した公共施設への太陽光発電・蓄電池導入には、補助金申請・設計・施工・系統連系手続き・長期運用という多岐にわたるプロセスが伴います。ユニバーサルエコロジーは、設計・施工からO&M(保守管理)、さらにキュービクル(高圧受変電設備)の保安管理まで自社一貫で行う「ワンストップ体制」で、公共施設向けの導入支援実績を重ねています。
【ユニバーサルエコロジーの対応領域】
- 補助金制度の調査・申請手続きの代行サポート
- 太陽光発電・蓄電池システムの設計・施工(学校・庁舎・公共施設への対応実績あり)
- 系統連系申請・各種許認可手続きの対応
- 竣工後のO&M(遠隔監視・定期点検・緊急駆け付け)
- キュービクルの保安管理
- PPAモデルでの共同申請スキーム構築支援
補助金の活用可否の確認から工程計画の策定まで、まずはお気軽にご相談ください。





