太陽光発電の保守・点検
2017年4月の 改正FIT法 により、出力が50kW以上の太陽電池発電設備は「電気事業法」でメンテナンスが義務化されています。
現地実施のメンテナンスは、遠隔監視では確認できない設備の不良や劣化を定期的に確認できます。
保守点検内容は、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)および一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)によって共同作成された「太陽光発電システム保守点検ガイドライン(JM19Z001)」に準拠したメンテナンスを実施しております。
メンテナンスの中には、必須のもの、設備によっては不要なものまで様々あるため、実際の太陽光発電設備の状況を確認し、発電所の状態やお客様からのご要望にあわせて、地域特性に合った最適なプランをご提案いたします。発電事業における収益の最大化を実現し、お客様に期待以上の安心と満足をお約束いたします。
点検内容一例
パネル点検
また、雑草・樹木・鳥の巣など、太陽光パネルに影ができる要因となるものがないか周辺環境についても確認します。
架台点検
ボルトやナットの弛みがある場合は、増し締め作業を実施します。工場など折板屋根においては、ハゼ金物の増し締めを確認します。
パワコン点検
パワコンの寿命は、10~15年とされています。
FIT期間20年のうち、一度は訪れるパワコンの保証期間終了と寿命による交換。故障してからでは交換までの間の発電ロスが大きいため、保証期間まで使うのではなく、早い段階のうちにパワコンをリパワリングすることで、FIT期間終了まで発電量が向上し、より高いシステム収益を得ることができるでしょう。
ドローンによる空撮点検
ドローンの赤外線カメラによる画像を分析することで、ホットスポットやストリング発熱異常などの検出が可能です。異常が発生している箇所があれば、実際に人が現場に行って点検・修理を行います。
開放電圧測定
ストリング毎に測定した電圧に異常がないことを確認します。
絶縁抵抗測定
設備の漏電防止、火災・感電事故の防止、施設や環境の安全性の確保を目的とし、ストリング毎に測定します。
ストリング内部抵抗検査
太陽光パネルやPVケーブルの内部抵抗を計測するインピーダンス測定をすることで、太陽光パネルの不具合やクラスタ断線を発見します。内部抵抗値測定で電圧・抵抗値を測定し、故障パネルのあるストリングを検出します。発電能力維持のために必要な点検作業です。
定期点検報告書
点検報告書は、経済産業省への報告が必要な時に備えて大切に保管しなければなりません。
機器点検
接続箱点検
端子台・開閉器・接地線の状態については目視点検および操作点検を行います。絶縁抵抗・接地抵抗・内部抵抗、系統毎の開放電圧などの測定点検を行います。
パネル洗浄
太陽光パネル表面の汚れは、雨や風によって自然に除去されるケースもあります。
しかし、汚れの種類や天候によっては、太陽光パネルの表面に蓄積し、発電量低下の原因になるため注意が必要です。
特に鳥のフンは、放置していると発電量を低下させるだけでなく、ホットスポットの原因になるため、早めの洗浄が必要です。
除草作業
雑草の放置は、発電量低下だけでなく、設備の故障や火事につながることもあるため、草刈りや防草シートなど雑草対策は必須です。
太陽光発電の点検における重要ポイント
点検の目的
太陽光発電のメンテナンスは、法律で義務化されており、O&Mは、「発電量低下を防ぎ収益を最大化すること」「トラブルにより損害を与えるリスクを防止すること」「長期にわたって安心・安全に稼働させること」を目的としています。
発電量低下を防ぎ収益を最大化する
トラブルにより損害を与えるリスクを防止する
長期にわたって安心・安全に稼働させる

太陽光発電の点検するタイミング
太陽光発電の定期点検は発電開始直後から開始することが大切です。
太陽光発電システムの約90%は、10年以内に何らかのトラブルが発生しています。そのため、長期にわたって、発電能力を最大限に発揮させるためには、質の高い運用とメンテナンスで、不具合を早期に発見することが重要になってきます。
「発電量が減ってきたから点検する」
「故障したから原因を調べて修理する」など、事後的に対処するのではなく、故障や不具合が顕在化する前に「発電量低下の要因を解消する」「トラブルを予防する」すなわち、予防保全型O&Mの運用が定着しつつあります。

点検手順の一例

パワコン・接続箱から測定器を使い、障害個所を絞り込みます。

テスター等を使い、問題がある個所を特定します。

アレイテスター、パネルチェッカーサーモカメラ等を使い、障害状況を判定します。
メンテナンス年間スケジュール
保守点検は、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」に準拠した内容で実施しております。
点検の時期と目的
設 置 1年目 |
初期不良の発見 発電開始後 1 年目を目途に、機器・部材及びシステムの初期的な不具合を見つけ、必要な補修作業を行う。 特にこの時期に、施工上の不具合やシステムの初期不良を発見することが長期間の運転を維持する上で重要である。 |
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設 置 5年目 |
劣化・破損状況の確認 発電開始後 5 年目を目途に、機器又は部材の劣化・破損の状況を確認し、必要な補修作業を行う。 機器メーカによって精密点検が設定されている場合は別途実施すること。 |
設 置 9年目以降 |
劣化・破損状況やメーカー保証期間の確認、消耗部品の交換 ・ 発電開始後 9 年目以降は 4 年毎を目途に、機器又は部材の劣化・破損の状況を確認し,必要な補修作業を行う。 ・ 機器や部材の保証期間を確認し、機能の確認又は消耗部品の交換を行う。 ・ 設備更新時期の検討を行う。 |
設 置 20年目以降 |
劣化・破損状況の確認や設備の交換時期の検討 ・ 発電開始後 20 年目以降は 4 年毎を目途に、機器又は部材の劣化・破損の状況を確認し、必要な補修作業を行う。 ・ 点検内容を確認し、設備更新時期の検討を行う。 |
出典:「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」
改正FIT法以降、
設備の長期安定稼働や安全性のために
すべての太陽光発電設備に対して
O&Mの実施が義務化
太陽光発電所のメンテナンスは
点検から修繕まで
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