2025.12.10
系統用蓄電池で失敗しないアグリゲーター選定基準
系統用蓄電池事業が注目される背景とアグリゲーターの役割
再生可能エネルギー(以下、再エネ)の大量導入により、電力の需給バランス調整が日本全体の課題となっています。
天候によって発電量が大きく変動する再エネ電力を貯蔵し、系統(送配電ネットワーク)の安定化に貢献する役割を担うのが系統用蓄電池です。
系統用蓄電池事業の収益モデルは、この安定化に必要な「調整力」を電力市場に提供することで成り立っています。そして、この調整力を高度に運用する「特定卸供給事業者(アグリゲーター)」の選定こそが、事業成功の鍵となります。
アグリゲーター(Aggregator)とは
系統用蓄電池を含む、工場や家庭などが保有する分散型エネルギーリソース(DER)を束ね、遠隔制御することで、あたかも一つの大きな発電所や蓄電所のように機能させる事業者です。電力広域的運営推進機関(広域機関)や送配電事業者との間で、電力取引・需給調整の窓口となり、その運用を担います。
アグリゲーターの具体的な仕事内容とVPPの仕組み
アグリゲーターの仕事は、単に系統用蓄電池を充放電させるだけではありません。
その役割は多岐にわたり、事業の収益性を左右する重要な要素となります。

VPP(仮想発電所)の司令塔としての機能
複数の系統用蓄電池やDERを統合し、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組みを「VPP(バーチャルパワープラント:仮想発電所)」と呼びます。アグリゲーターは、このVPPの「司令塔」として、各蓄電池の充放電を最適に制御し、電力市場や需給調整市場に調整力として供給します。
DR(ディマンド・リスポンス)と調整力の提供
アグリゲーターは、電力の需要家側(工場やビルなど)と連携し、電力の需給がひっ迫しそうな際に、電力の使用量を抑制したり、逆に増やしたりする「DR(ディマンド・リスポンス)」を指示します。系統用蓄電池は、この指示に基づいて充放電を行うことで、電力系統の需給バランスを保つための「調整力」を提供します。
特定卸供給事業者(アグリゲーター)による市場運用:収益確保の要
系統用蓄電池の収益源となるのは、発電した電力や調整力を電力市場で取引することです。
この市場取引を行うためには、「特定卸供給事業者」としての登録が必要です。ユニバーサルエコロジーは、「特定卸供給事業者」の登録を完了し、市場に参入しています。
アグリゲーターは、この特定卸供給事業者としての役割を担い、卸電力取引所や需給調整市場での売買を代行・実行します。
多くのEPC業者が運用部分を他社に委託する中、ユニバーサルエコロジーは、EPCからアグリゲーターとしての市場運用までを自社ワンストップで完結しており、市場価格の微細な変動を予測し、蓄電池の最適な充放電を瞬時に判断する高度な知見と迅速な対応力が、他社にはない収益最大化の鍵となります。
VPP・DRに関する基礎知識
- VPP(Virtual Power Plant):工場や蓄電池などをITで束ねて遠隔制御する「仮想的な発電所」。
- DR(Demand Response):電力の需要(ディマンド)を調整(リスポンス)することで需給バランスを保つ仕組み。
- アグリゲーター:VPPの司令塔として分散型エネルギーリソース(DER)を制御し、市場との取引を担う事業者。
系統用蓄電池事業の収益構造と最大化戦略
系統用蓄電池事業の収益は、主に電力市場での取引によって成り立っています。
最大の課題は、市場の変動に対応し、いかにして収益の柱を多角化するかです。
収益の柱となる「マルチ市場運用」(価格裁定取引、需給調整市場)
系統用蓄電池の収益を最大化するには、単一の市場に依存せず、複数の市場を横断的に活用する「マルチ市場運用」が不可欠です。
収益の柱となる主な市場
- 需給調整市場(調整力の提供):広域機関からの指示に基づき、系統安定化に必要な調整力(kW・kWh)を提供し、対価を得る。
- 卸電力市場(価格裁定取引):電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電・売電することで利益を得る「価格裁定取引(アービトラージ)」を行う。
- 容量市場:将来の供給力(kW)を事前に確保するための市場に容量を応札し、対価を得る。
特に重要なのが価格裁定取引(アービトラージ)です。
アグリゲーターは、リアルタイムの電力価格を分析し、最適な充放電スケジュールを自動で組み、売買の差益を追求することで収益を最大化します。この高度な戦略的運用が、事業の成功を大きく左右します。
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収益最大化の鍵を握るアグリゲーターの戦略と技術
収益最大化のためには、アグリゲーターが持つ「AI・アルゴリズム技術」と「市場知識」が不可欠です。
AI(人工知能)は過去の電力価格や需給予測などの膨大な情報を分析し、未来の価格変動を高い精度で予測します。そして、高度なアルゴリズムは、その予測に基づき、蓄電池の劣化を最小限に抑えつつ、複数の市場で最も高収益となるような最適な充放電スケジュールを瞬時に計画・実行します。
このように、最先端の技術を駆使した運用力と、需給調整市場や容量市場の複雑なルールに正確に対応する運用力が、収益の安定性と最大化に直結します。
失敗しないアグリゲーターの選定基準(運用実績、委託料、監視体制)
系統用蓄電池事業の収益は、アグリゲーターの運用能力に大きく依存するため、その選定は極めて重要です。
アグリゲーター選定における重要基準
- 運用実績と市場知識:複数の分散型エネルギーリソース(DER)や蓄電池を統合・運用した実績、そして卸電力市場や需給調整市場の最新の動向・ルールに対する深い知見があるか。
- 委託料と契約条件:収益の最大化にコミットしているか、運用収益に応じた委託料体系となっているか。契約期間や解約条件なども細かく確認が必要です。
- 高度な監視・制御体制:365日の遠隔監視体制があり、異常発生時に迅速な対応(緊急駆け付け)ができるか。また、充放電の最適化アルゴリズムが優れているか。
補助金活用もプロへの相談が必須
系統用蓄電池の導入にあたっては、補助金を活用することで初期費用を抑えることができます。
しかし、補助金制度は公募期間や要件が複雑かつ厳格です。
ユニバーサルエコロジーでは、活用できる補助金の調査から複雑な申請手続きのサポートまで対応しております。
【プロに相談】EPCから市場運用までワンストップ対応できるユニバーサルエコロジーに任せるメリット
系統用蓄電池への参入を検討されている経営者や事業開発責任者の方々は、「EPC(設計・調達・建設)と市場運用を別々の事業者に委託することで、責任分解点が曖昧になること」を懸念されています。
ユニバーサルエコロジーは、この潜在的なニーズに応える「ワンストップ対応」を最大の強みとしています。
私たちは、再生可能エネルギー開発のプロフェッショナル集団として、以下の体制を構築しています。
| 対応フェーズ | ユニバーサルエコロジーの対応範囲 |
|---|---|
| 用地・計画 | 蓄電所の適地探し、用地開発、事業計画策定 |
| 建設(EPC) | 設計、資材調達、建設(工事) |
| 運用・保守 | 市場運用(特定卸供給事業者)、保守点検、遠隔監視体制、緊急対応 |
私たちは、適地探しからEPC、そしてアグリゲーターとしての市場運用、保守点検まで、すべてをワンストップで対応いたします。これにより、貴社の負担を軽減し、建設品質、システム品質、そして収益性の最大化を同時に実現します。
国内で5,000件以上の再エネ発電所建設に携わってきた実績と技術力、そして収益最大化に特化した運用戦略で、貴社の系統用蓄電池事業を成功に導きます。
まとめ
系統用蓄電池事業の成功は、高度なマルチ市場運用戦略を持つ信頼できるアグリゲーターの選定にかかっています。
系統用蓄電池事業成功の鍵
- アグリゲーターは、VPPの司令塔として需給調整市場や卸電力市場での取引を担う。
- 収益最大化には、価格裁定取引を含む「マルチ市場運用」が不可欠。
- アグリゲーターは運用実績、技術力、365日監視体制を基準に選定すべき。
- ユニバーサルエコロジーはEPCからアグリゲーターとしての市場運用までワンストップ対応できるプロフェッショナル集団。
ユニバーサルエコロジーは、系統用蓄電池の新規開発、EPC、そして収益最大化のための市場運用まで、一貫してご提供します。具体的な事業計画、収益シミュレーションに関するご相談は、ぜひ当社にお任せください。
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