COLUMN
太陽光発電コラム

2018/12/26

今さら聞けない、自家消費型太陽光発電の基礎知識

従来のように、自社の設備で発電した電力を電力会社に売電するのではなく、自らの施設や工場で消費する太陽光発電の仕組みを「自家消費型太陽光発電」といいます。自家消費型太陽光発電設備はエネルギーコストを削減するだけでなく、社会・環境貢献にも役立つため、大きな注目を集めています。

今回はこの自家消費型太陽光発電を理解するための基本知識をQ&A形式にしました。

今さら聞けない、自家消費型太陽光発電の基礎知識

Q:FIT(固定価格買取制度)とはなんですか?

A:太陽光などの再生可能エネルギーの普及を図るため、再生可能エネルギーで発電された電力を国が定めた価格で一定期間、電力会社が買い取るように義務づけた制度です。日本では2009年に電力会社によって太陽光発電設備から電力の買取が始まり、2012年に「固定価格買取制度」として整備されました。

2017年に施行された改正FIT法では、これまでの課題に対するさまざまな解決策が盛り込まれました。例えば、保守点検が義務化、設備の安全確保に関する詳細な規定の追加、売電終了後の設備解体費用の積み立てなどはその一例です。

Q:従来の売電型と自家消費型の違いは?

A:売電型と自家消費型では目的が大きく異なります。売電型は、発電した電力を電力会社に売ることでの売電収入を得ることが大きな目的であるのに対し、自家消費型は発電した電気を自社の施設や工場で使用することで、使用電力量を抑え、企業の経費削減を図ることを目的としています。

また、自家消費した電力量には「環境価値」という付加価値が発生し、CSR活動に役立てたり、売却して資金とすることも可能です。

Q:自家消費型太陽光発電の初期費用はいくらぐらいかかるの?

A:一例をあげますと、下記のようになります。

 

年間の電気料金が120万円の中小企業様の場合

◎自家消費型太陽光発電の導入にかかった初期費用は750万円(定格出力46kW)でした。

◎シミュレーションでは電気料金を年間約100万円削減

◎単純計算で7.5年で初期設備投資費用を回収できるモデルとなっています。

 

但し設備費用は導入するお客様の業態や負荷の構成によって異なります。O&Mも含め、きちんと相談できる業者へ見積もり依頼をお勧めします。

Q:自家消費型太陽光発電って大企業向けでは?

A:確かにこれまで自家消費型太陽光発電の導入はRE100などの大企業が中心でしたが、最近では中小企業への導入が増えています。その理由の一つとして、中小企業を対象とする補助金や税制優遇があります。また大企業も自社の環境対策として、仕入先の企業へ再生可能エネルギーの利用を促すケースも増えています。

Q:自家消費型太陽光発電だけで、使用電力をまかなうことはできないの?

A:仮に、生産工場で消費する電力を太陽光発電だけでまかなおうとすると、大型の発電設備プラス超大型の蓄電池が必要で、莫大な設備投資になります。また蓄電池には寿命があり、長期間の運用には途中で交換することを見込んでおく必要があります。

現在、自家消費に蓄電池を併せて設置しているケースでは、非常時最低限の設備電源用や、電力使用量の最大値をさげるピークカットなど、目的を絞り、限られた容量の蓄電池を設置しているのが実状です。

Q:設置までの流れは?

A:基本的な流れは一般的な太陽光発電設備の導入と同じです。下記の図をご参照ください。

お問い合わせをいただいたら基礎情報のヒアリングを行います。その後、現地調査を行い、お見積りをさせて頂きます。ご契約をいただければ、補助金などの申請手続きを経て施工へ移ります。なお補助金等の手続きについては、給付機関により異なります。

 

また、別コラム「自家消費型太陽光発電とは」でも自家消費型について解説しています。

 

今後太陽光発電の大きなトレンドとなるであろう自家消費型太陽光発電、一度検討されてみてはいかがでしょうか。