コラム

太陽光発電は「自家消費」へ|知っておきたい企業事例

 

脱FITで太陽光発電はこれから自家消費へ

2012年に制定された電力の固定価格買取(FIT)制度により、産業用や法人用の大規模な太陽光発電所が急速に増えました。しかし、いま太陽光発電は大きな転換期に差し掛かっています。

 

電力の売電価格は年々引き下げられており、FIT制度の導入時の産業用の売電価格は40円+税/kwhでしたが、2018年では18円+税/kwh、2019年では14円+税/kwhとなっています。その一方で電力料金は毎年上がっており、kw単価は売電するよりも自分で発電した電力を自分で消費するほうが安価となる、グリッドパリティを迎えました。

 

そんな、注目を集めていて発展が予想される「自家消費型」の太陽光発電ですが、設置業者には高い設計力や事業内容のプラニング力が求められるため、実際のところ、まだまだ導入事例が少ないのが現状です。そこで、今回は他社に先駆けて自家消費型太陽光発電をいち早く導入された、メトロキャッシュアンドキャリージャパン株式会社様(施工:ユニバーサルエコロジー株式会社)を事例としてご紹介いたします。

 

自家消費型太陽光発電をいち早く導入

メトロキャッシュアンドキャリージャパン株式会社(以下メトロ様)は、ヨーロッパ有数の規模を持つ流通企業メトログル-プの日本法人で、ホテル・レストランなどの飲食業・食品小売業・給食業などの、事業者・プロフェッショナルユーザーを対象とした登録制卸売です。本国ドイツをはじめ、世界25ヶ国に約750店舗を展開しており、日本では首都圏に10店舗を展開しています。

 

自家消費型発電を導入するきっかけはソーラーカーポート

当初、メトロ様からのお問い合わせは自家消費型太陽光発電ではなく、ソーラーカーポートの導入に関するお問い合わせでした。ソーラーカーポートは駐車スペースを発電にも有効活用でき、売電収入に加え電気自動車の充電も可能、またデザインもスタイリッシュで建物の外観を損ねることもないため、人気となっています。

 

しかしながら、その後ヒアリングや現地調査を重ねた結果、売電型ではなく自家消費型の太陽光発電がよりメリットではあるのでは、と自家消費のご提案も併せて行ったそうです。

 

自家消費に向いている条件が揃っていた

ではなぜ売電型の設備ではなく、自家消費型の太陽光発電設備の採用に至ったのでしょうか。それは、メトロ様では自家消費型に向いている条件が揃っていたためです。

 

具体的には、

  • 敷地内に太陽光発電のパネルを設置できる土地や屋上がある

メトロ様は食品の卸業のため、広い敷地に大型の店舗があり、その屋上に太陽光発電モジュール(パネル)を設置し、なおかつ敷地内に関連設備を設置することが可能でした。

 

  • ほぼ毎日、日中に多くの電力を必ず消費する

生鮮食品を含む食品の卸売業のため、店舗は元日を除いて朝6時から夜19時まで毎日営業しています。したがって日中に使用する電力は、自家消費型の太陽光発電設備でおおむね賄うことができるのです。また、店舗休業日が少ないため、太陽光発電設備で発電した電力を無駄にしてしまうことがありません。

 

  • 月々の電力料金支払いが高い

メトロ様では、生鮮食品を扱っている関係上、大型の冷蔵庫や冷凍庫を使用しており、また店舗全体もきめ細かな温度管理を行っています。そうしたことから、日中・夜間ともに消費電力が多くなり、月々の電力料金の削減が課題でした。

 

  • 世界レベルの環境意識

同社はドイツに本社を置く企業です。ドイツでは2050年に再生可能エネルギーの発電比率を80%に引き上げることを目標に、連邦・州政府、市民が一丸となってまい進しています。そんなドイツに本社を置くメトロ様は本国同様、エネルギー使用に関して方針や目標を設定しエネルギー管理に努めている、環境意識の高い企業です。

 

実際導入した設備で電力料金目標2割削減

今回、メトロ様の千葉県内の2店舗において、売電(逆潮流)なしの完全自家消費型太陽光発電設備を設置したことで、電力料金の2割の削減を目標としています。

 

この設備は、店舗で消費する電力量を監視し、そのデータを反映させて発電を制御します。その際、太陽光発電により発生した電力を過剰に抑制することなく、最大限利用することができる技術を盛り込んでいます。これは、発電量が天気に大きく影響される太陽光発電設備であっても、年間約18%の電力使用量の削減が期待できる画期的なものです。また、CO2の年間削減量としては石油換算で約137,371ℓ、杉の木換算で約13,595本に相当し、環境対策として大いに貢献しています。

 

終わりに

今回は自家消費型太陽光発電に興味をお持ちの方に向けて、実際に設備を導入した環境意識の高い企業を事例として紹介しました。

 

自家消費は売電型の太陽光発電に代わり、今後ますます注目が高まることが予想されており、2019年は自家消費元年ともいわれています。電力料金の削減や環境対策を検討されているのであれば、今回のメトロ様の事例を参考に導入の検討をされてはいかがでしょうか。

 

 

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(文:太陽光発電TIMES編集部 M.)

 

参考:

メトロキャッシュアンドキャリージャパン株式会社 会社概要. https://www.metro-cc.jp/company-info, (参照2018-12-14)

Metro Energy and Resource Management. https://www.metro-cc.com/responsibility/energy-resource-management, (参照2018-12-14)

 

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